ステップ3:家計の「固定費」を見直し、黒字家計を作る
ステップ2で家計が「見える化」できたら、いよいよ「改善」のステップです。
ここでやることは、「満足度を下げずに、支出だけを減らす」こと。
「節約」と聞くと、食費や趣味のお金を我慢する「変動費の削減」をイメージしがちですが、これはストレスが溜まりやすく、リバウンドの原因にもなります。
私たちが目指すのは根性論ではなく「仕組み化」です。
真っ先に手をつけるべきは、一度見直せば自動的に、かつ永続的に効果が続く「固定費」です。
固定費の見直し=満足度を下げない最強の節約
ステップ2で「見える化」した家計簿アプリのグラフを眺めて、「毎月必ず、自動的に引かれている大きな支出」を探してください。
その中でも、特に見直すべき「2大固定費」がこれです。
これらは、一度契約するとなかなか見直す機会がなく、「なんとなく」で高いお金を払い続けているケースが非常に多い項目です。
① スマホ代(通信費)の見直し
iPhoneユーザーにとって、通信費は悩ましい問題ですよね。
ですが、もし今も大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の使い放題プランなどに毎月8,000円〜1万円以上払っているなら、今すぐ見直すべきです。
これらに切り替えるだけで、通信品質はほぼそのままで、月額料金を半額以下にできる可能性が非常に高いです。
「手続きが面倒」「通信速度が不安」といった気持ちはよく分かります。
しかし、その面倒さや不安を乗り越えた先には、年間数万円単位の「自動的な黒字」が待っています。
② 保険料の見直し
次に「保険料」です。ここからは少しFPとしての専門的なお話をします。
保険は「万が一の安心を買うもの」ですが、『何が万が一で、いくら必要なのか』を把握しないまま加入していませんか?
営業担当者に勧められるがままに入った「貯蓄型の保険」や「独身時代に入ったままの死亡保険」は、非常に高額な「浪費」になっている可能性があります。
特に、日本には強力な公的保障(社会保険)がすでにあります。
- 遺族年金: 万が一の際に遺族に支払われる年金
- 高額療養費制度: 医療費が高額になっても、自己負担を一定額に抑える制度
FPの視点から言えば、まずは「公的保障で足りない分はいくらか?」を計算し、その不足分だけを「掛け捨て」の保険で安く備えるのが鉄則です。
まずは家計簿アプリで「保険料」の総額を把握し、「本当にこの金額が必要か?」と疑ってみることから始めましょう。
(最優先)金利の高いローンはありませんか?
固定費の中でも、スマホ代や保険料以上にタチが悪いのが「金利の高い借金」です。
もし、これら(特にリボやキャッシング)の残高が残っている場合、ステップ4以降の「貯金」や「投資」を考える前に、まずはこれらを少しでも早く繰り上げ返済することを強く推奨します。
年利10%〜15%といった金利は、あなたが稼ぐお金を猛スピードで吸い取っていく「最悪の固定費」だからです。
ステップ3クリア!生まれた「黒字」を将来のタネ銭に
このステップ3で、家計の「ムダ」を徹底的に削ぎ落としました。
固定費の見直しは手続きが面倒ですが、一度やってしまえば、来月からは「何もしなくてもお金が浮く状態」がずっと続きます。
ここで生まれた「毎月の黒字」こそが、将来の安心を作るための「タネ銭(投資元本)」となります。
さあ、いよいよこのタネ銭を使って、家計を守るための「最強の盾」を作りに行きましょう。

